9回 エンターテインメント部門 講評

広告映像の強みはそれ自体がもつエンターテインメント性

「広告映像」は「芸術」とは対極に位置するものだが、エンターテインメント部門創設で門戸が開かれた。CGでありつつ、感性に訴えかける空気感の『芝浦アイランド』。最後までグランプリを争った『WAMONO』はキャラクター造形、画面構築など非常にレベルが高い。広告映像はそれ自体がエンターテインメントとして完結している点が強みであろう。グランプリの『Flipbook!』は「作品とよべるか?」などの議論がでたウェブサイトだが、新しい感動を与え「メディアの未来」を予感させる点が評価された。広告サイト『ボーダフォンデザインファイル』も入賞。ゲーム部門からは新しい遊びの形を提案した『ニンテンドッグス』が入賞。思わず「かわいい」と心を動かす表現力が評価されたが、ゲーム全般をみると今後もっと新鮮な感動を期待したいところである。

プロフィール
中島 信也
CMディレクター
1959年、福岡県生まれ。年間40本近くのCMの演出を手がける一方で、株式会社東北新社取締役、多摩美術大学教授を務める。デジタル技術を駆使した娯楽性の高いCMで数々の賞を受賞。主な作品に日清カップヌードル『hungry?』(カンヌ広告祭グランプリ)、サントリーDAKARA『小便小僧』、 HONDA『STEP WGN』、サントリー『伊右衛門』など。