© Keiko Kimoto

第10回 アート部門 大賞

Imaginary・Numbers 2006

インスタレーション

木本 圭子 [日本]

作品概要

複雑な自然現象などを数式によって表現する際の非線形的構造を、コンピュータのプログラミングによって高精細に映像化した作品。光の粒が軌跡を描いて流れたゆたい、渦巻き、めくるめくダンスを繰り広げる。

贈賞理由

これは作者が長年追求してきた、非線形数理モデルをベースとする有機的また生物的ダイナミクスをテーマとした作品群の新作である。この数理モデルによって映像空間の中に乱舞する粒子たちは、「個と集団」「全体と部分」などといった、社会現象や自然現象のなかに現れる風景を見るものに想起させる力をもっている。これは最新のコンピュータテクノロジーと、なによりも作者のアーティストとしての確かな視線とによって成し遂げられた賜物であろう。非常に興味深い作品だ。