11回 マンガ部門 講評

【作品カテゴリ別講評】ストーリーマンガ

「何をどう選んだらよいのやら」それがボクの正直な感想だった。他の審査委員のみなさんも同様だったのか、審査は盛りあがった。この作品はオモシロイ。いやいやこちらの作品のテーマの方が時代性がある。この作品は一見地味だがそうたやすく描けるものではない。こちらの作品の実験的な手法には大きな可能性があるのではないか?などなど。それほどストーリーマンガの候補作は粒ぞろいで、次々に出される評価の視点が、まさに集まったマンガの多様性とそのレベルの高さを示していた。そしてなにより印象的だったのは、審査が終わった時。ホッとするより先に、惜しくも賞を逃した作品に、「すみません」と謝りたくなったことだった。

プロフィール
しりあがり 寿
マンガ家
1958年、静岡県生まれ。マンガを中心にアニメ、アート等制作。