7回 エンターテインメント部門 講評

【作品カテゴリ別講評】Web

エンターテインメントを「人を楽しませる」または「人をもてなす」という広義の意味でとらえると、Webもゲームと同様に元来エンターテインメント性を大変多く含んだメディアであると言えよう。しかし、メディアの特性としてエンターテインメント性を持ち合わせているWebであるが、目的が多種多様であるために、そのエンターテインメント性も非常に多くの方向性を持っている。コンテンツそのものが高いエンターテインメント性を持っている場合もあれば、サイトのインターフェースがエンターテインメント的な特徴を持った作品もある。またWebの最大の特徴であるネットワークという仕組みで、エンターテインメントを実現している作品もある。このように一口にWebでのエンターテインメントといっても、その方向性は多用でありそれをひとつの評価軸で審査することは大変困難であった。逆に言えば、そのようにさまざまな方向のWebのエンターテインメント作品が集まったことは良かった点でもあるが、作品のひとつひとつのクオリティーが他のジャンルのエンターテインメント作品に比べ、残念ながらもうひとつであったことも事実である。今回の応募ではWeb作品をアート部門とエンターテインメント部門のふたつの部門で募集したので、それも要因のひとつだったかも知れない。次年度においてはエンターテインメントとしてWeb作品が、さまざまな方向性で且つ高いクオリティーで数多く集まることを期待したい。

プロフィール
宮崎 光弘
アートディレクター
1957年、東京都生まれ。東京造形大学美術学部卒業。ファッション誌のアートディレクションに携わった後、1986年、株式会社アクシス入社。同グループのCI、デザイン誌『アクシス』のアートディレクションのほか、グラフィックデザインを中心にさまざまなプロジェクトを行なう。最近ではペーパー・メディアのデザインに加えてマルチメディア関連のデザインも数多く手がけている。