14回 アート部門 講評

変換装置型アートモデルの登場

今、アートにおいて、グローバルとローカルの相関が最も重要な問いだと思う。その答えは時にクールジャパンとオタクであり、Webが開くボーダレス社会であり、アートマーケットでの価値として現れる。しかし、今回の審査で、とりわけインスタレーションに現れた衝撃は、その枠ではくくれない大きなものだ。現代美術の既存領域が隘路に陥っている中、テクノアートのモデルが、時代のアートのキーモデルにシフトする。だが、それはもちろん、機械やシステムの目新しさへの評価ではない。人間がそれを使いこなし、感覚や知覚を拡張するからでもない。アートという価値変換の仕組みが革新されようとしているのだろう。配置型、参加型を超えた変換装置型のアートモデルである。既存の美術館やギャラリーが、それらをアートとしていかに取り込めるかが鍵となる。今回の展覧会では、ぜひその予感を味わっていただきたい。

プロフィール
後藤 繁雄
京都造形芸術大学教授
1954年、大阪生まれ。編集者、クリエイティブディレクター。京都造形芸術大学教授。アートブック、写真集の編集に多数携わる。東京・恵比寿の写真とグラフィック専門のギャラリーG/P galleryを主催。また2010年6月よりアーツ千代田3331にて新しいギャラリーg3/(トリプルジー)と、96年より続けてきた編集学校「スーパースクール」が一体となったスペースをオープン。11年よりアートフェア「TOKYO FRONTLINE」を5カ年計画でスタートしている。