© 電気通信大学 稲見研究室

第11回 アート部門 優秀賞

ビュー・ビュー・View

インタラクティブアート

blue elephant [日本]

作品概要

遠隔地にいる相手とスクリーンを通して風によるテレコミュニケーションを実現した作品。手元にあるロウソクの火がスクリーンに映る人物に吹き消されるなど、遠くにいる相手の息遣いまで送受信できる。

贈賞理由

バーチャルリアリティ(VR)は必ずしも五感だけではない。むしろ空間を埋め尽くしている空気の感触が重要なのだ。空気は、それが動いて「風」となることによって、我々は初めてその存在に気づく。この作品の特徴は、何よりも風の入出力装置、すなわち風のセンサーと風のディスプレイの先端的な研究開発にあり、それによって実環境と仮想環境における風の感触をシームレスにつなぐことに成功している。作品そのものは必ずしもアートとはいえないかもしれない。しかしこれからさまざまな新たなアートが生み出される可能性を秘めているという意味で、大いに期待したい作品である。