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第14回 アニメーション部門 優秀賞

フミコの告白

短編アニメーション

石田 祐康

作品概要

フミコは、想いを寄せるタカシに告白するが、あえなくフラレてしまう。泣き叫びながら走りだすフミコ。疾風のごとく、街中を突き抜け、急激な階段を転がり、崖から落下し、商店街の空を舞うフミコがたどり着いた所とは……。ユニークなアングル描写とスピード感あふれるアクションが展開する純情女子高生の決死の告白アニメーション。

贈賞理由

驚異の「疾走」を見せた日本的アニメ感性の申し子
若者の特権、見事な「疾走」の勝利である(2008年度アカデミー賞短編アニメ賞にノミネートされた『Oktapodi』といい、この「疾走感」は今、世界共通の感覚なのか?)。あくまで軽やかな作風と、それとはアンバランスなほどに「走り」→「空中疾走」→「飛行」と加速していく展開リズムが観る者を引き込む。それも圧倒的な快感を伴って……。
こういったスピード感で一気に魅せる作風は、まさに日本のアニメ感性の申し子といえよう。視点を変えて言えば、プロ的な制作行程を少人数の学生グループで成し遂げることが、今のこの作家のテーマなのだと見て取れる。
大学3年生とは思えぬ驚異的なクオリティを実現させる原動力とは、アニメーションの魅力の原点たる「動く感動」、そして「笑い」を信じる、まっすぐな創造心なのだろうか?