第15回 功労賞

木下 小夜子

アニメーション作家/プロデューサー

プロフィール

東京生まれ。女子美術短期大学造形科卒業。1970年代より、アニメーションやメディアを基軸とした制作、開発、教育、振興など、幅広い事業を国内外で展開し、その領域はアニメーションのみならず、ドキュメンタリーやフィクションなどを含む映像分野全般に及ぶ。故木下蓮三氏と共に制作した短編アニメーション『MADE IN JAPAN』(1972)、『日本人(ジャポネーゼ)』(1977)、『ピカドン』(1978)、『最後の空襲くまがや』(1993)、『琉球王国―Made in Okinawa』(2004)などが、各国の国際映画祭にてグランプリや優秀賞を多数受賞。1985年、広島国際アニメーションフェスティバルを企画・実現して以後、総指揮を歴任。国内外の美術館や映画祭のプログラムを多数制作するほか、芸術大学や映画祭などでの講義・講演・ワークショップ・審査員歴多数。2006~09年、国際アニメーションフィルム協会(ASIFA)会長を務め、現在副会長。同日本支部(ASIFA-JAPAN)会長。日本アニメーション学会顧問。大阪芸術大学客員教授。女子美術大学理事。同大学同窓会会長。

贈賞理由

木下小夜子氏は1980年代初めから、夫でアニメーション作家の故木下蓮三氏と共に、蓮三氏が制作した短編アニメーション『ピカドン』をきっかけとして、広島で国際アニメーション映画祭の開催を実現するため多大な尽力をされた。1985年、ついに国際アニメーション協会ASIFAの公式承認を得た第1回広島国際アニメーションフェスティバルを開催するに至り、以来、隔年開催を続け、来年で第14回大会を迎えるに至るまで、フェスティバルディレクターとして、現在もエネルギッシュな活動を続けられている。一言で国際映画祭といっても、大半のイベントが大手広告代理店やマスコミ主導の商業色が強いものだった当時、広島という特別な場所で「Love & Peace」を掲げ、広島市との二人三脚で始められた、このアートアニメーションの映画祭は、観客動員から企画・運営に至るまで、そしてこの25年間のプログラムがどれだけ日本の、そしてアジアのアニメーション作家を志す若者たちを刺激してきたことか、その功績は計り知れない。