© 高田崇史・講談社 / 鬼神伝製作委員会

第15回 アニメーション部門 優秀賞

鬼神伝

劇場アニメーション

川﨑 博嗣

作品概要

ある日、目立った才能のない平凡な男の子・純は、平安時代にタイムスリップしてしまう。そこは大陸の文明によって平安京を取り仕切る貴族=「人」と、自然の神々に生かされている民=「鬼」が、互いに相容れぬ理想を抱き、争う世界だった。突然突きつけられた過酷な状況に戸惑い逃げ出そうとする純が、真摯に生きる古の人々に触れ、自ら考え行動することの大切さを知り成長する姿を描く。美しい京都を舞台に、日本古来の伝承を現代に蘇らせた歴史大河アニメーション作品。

贈賞理由

京都を舞台に日本古来の伝承が蘇る大河作品
力作である。存分に動画枚数を使った群衆シーンやエフェクトアニメーションは圧巻で、久しぶりに劇場用アニメの醍醐味が充溢した作品だった。デジタル全盛の時代に、あえて真正面から作画枚数に挑んだ制作者の態度は評価されるべきであろう。物語はやや類型的で、キャラクターの造形も手堅く、新鮮味はないが、むしろ定番として小中学校や公立図書館に収蔵しておきたい作品。作品全体を覆う日本的意匠も丁寧に描かれており、海外での公開を含む作品展開が望まれる。