© さそうあきら / 双葉社

第12回 マンガ部門 優秀賞

マエストロ

ストーリーマンガ

さそう あきら [日本]

作品概要

解散した中央交響楽団に突如現れた謎の老人指揮者、天道。指揮者という難しいキャラクターを魅力的に描き、オーケストラが天道によって導かれ、再生されていく姿を描いている。フルート、オーボエ、ホルン…と次々と表出する楽器たちから、いまにも音が聞こえてくるような臨場感あふれる作品。

贈賞理由

音楽の世界を、全く音のない二次元世界のマンガに表現するのは実に至難の業だ。しかも無名の老指揮者とコンサートマスターの若者を軸に、オーケストラ団員のひとりひとりの楽器と演奏者が持つエピソードを巧みに織りこみながら最後の「演奏会」に読者を招きいれる。ときに弦を弾いたり、管楽器を吹奏する場面では、音楽だけでなく奏者の緊張や息づかいまでが聴こえてくる表現は驚きだった。さそうあきら氏は、まぎれもなくマンガ界のマエストロになった。