第16回 功労賞

大河原 邦男

メカニックデザイナー

プロフィール

1947年東京都生まれ。東京造形大学卒業。大手アパレル会社を経て、72年竜の子プロダクション美術課に入社。『科学忍者隊ガッチャマン』でメカデザインという仕事に巡り合い、以後はメカデザイン専門となる。その後、中村光毅と「デザインオフィス・メカマン」を設立。78年からフリーとなりサンライズ作品にも参加。サンライズ作品では『機動戦士ガンダム』『太陽の牙ダグラム』『装甲騎兵ボトムズ』などのリアルロボットアニメから『勇者シリーズ』などの、いわゆるスーパーロボットアニメのメカデザインも担当。一方、竜の子プロダクションではタイムボカンシリーズ等のギャグアニメや、玩具やゲームなど幅広い分野でメカデザインの第一人者として現在も活躍中。

贈賞理由

「ガンダムをデザインした人」であり、かつて美術や作画監督の分担だった「メカデザイン」を独立させた先駆者だ。その技量はギャグメカからリアルな戦闘メカまで作風に合わせて幅広く、40年間も第一線で尽力した持続力は壮絶と言うほかない。大河原メカは二次元のアニメから飛び出し、立体造型物の玩具としても人びとの心をときめかせてきた。「巨大ロボットアニメ」という日本独自の文化において「デザイナー」の存在を世に位置づけ、メカニズムへの関心を飛躍的に高めて社会に貢献した点で、前人未踏の偉業をなし遂げたことを高く評価する。