第24回 功労賞

坂田 文彦

ガタケット事務局代表

プロフィール

1963年、新潟県生まれ。新潟県立新潟高校卒業。1983年、同人誌即売会「ガタケット」の創設に関わる。1989年には代表に就任し、運営に長年携わってきた。地方での同人誌即売会を恒常的な事業として確立した草分けの一人であり、1991年には、創作同人誌展示即売会「コミティア」の初の地方版となる「COMITIA in 新潟」(現「新潟コミティア」)を立ち上げた。また、「全国同人誌即売会連絡会」の発起人も務めている。1998年、新潟市のマンガ文化事業「にいがたマンガ大賞」副会長に就任。2010年には、「がたふぇす」の立ち上げに関わる。新潟市が「新潟市マンガ・アニメ情報館」「新潟市マンガの家」を2013年に開設するにあたっては、同市の専門学校を運営する学校法人国際総合学園とともに指定管理者として運営を担い、統括館長を務めた。在任中は、「ガタケット」で開催していたマンガ原画展の経験や、アニメーターの経歴を生かし、「ハイキュー‼アニメ原画展」新潟展や、「萩尾望都SF原画展」新潟展以降の総合ディレクション、「魔夜峰央原画展」の展示アートディレクション等、多数の原画展催事ディレクションを手掛けている。

贈賞理由

出版社等が首都圏に集中しているため見えづらいのだが、マンガ家一人ひとりの創作意欲を涵養し、表現の場をつくり出すうえで、地方の文化コミュニティが果たす役割はきわめて大きい。新潟市は、マンガの文化的な振興に街ぐるみで取り組む先進都市で、専門の教育機関や展示施設、作品公募コンテスト、同人即売会など、作家育成に注力してきた。坂田文彦氏は、同人誌即売会「ガタケット」「新潟コミティア」の運営を主務としつつ、諸事業を有機的につなぐ結節点として長年尽力されてきた。日本のマンガの豊かな多様性を支えてきた一人として、その功績を讃えたい。(表 智之)