第25回 功労賞

鳥嶋 和彦

白泉社顧問

プロフィール

1952年、新潟県生まれ。慶應義塾大学を卒業後、1976年、株式会社集英社入社。『週刊少年ジャンプ』で『Dr.スランプ』(1980-84)、『DRAGON BALL』(1984-95)などのヒット作を担当。『Dr.スランプ』に登場するDr.マシリトのモデルとしても知られる。また同誌の「ジャンプ放送局」「ファミコン神拳」でさくまあきら、堀井雄二との交友を深め、『ドラゴンクエスト』(1986)誕生に関わるなどゲーム業界とは黎明期から関わりも深い。1993年、ゲームとのメディアミックス誌『Vジャンプ』を企画、初代編集長となる。1996年には『週刊少年ジャンプ』に戻り、編集長として新人育成とメディアミックス化を指揮。『遊☆戯☆王』(1996-2004)、『ONE PIECE』(1997-)、『NARUTO -ナルト-』(1999-2014)などのヒット作が生まれる。その後、メディアミックス展開の手腕を評価されライツ事業部長、および週刊・月刊・Vのジャンプ三誌を統括する第3編集部長を兼務。以降、集英社専務取締役等を経て、現在は株式会社白泉社顧問。

贈賞理由

『週刊少年ジャンプ』編集者時代、鳥山明氏を発掘し育てた鳥嶋和彦氏。Dr.マシリトとして名を馳せた氏は、日本で最も著名なマンガ編集者ではないだろうか? その後『ドラゴンクエスト』(1986)や『クロノ・トリガー』(1995)など、マンガ家によるキャラクターデザインでゲームとのコラボレーション、ゲーム雑誌や関連書籍の展開、映像化など、現在ではエンターテインメント制作では不可欠となっているクロスメディアによる制作手法を確立。その潮流は、マンガ、アニメ、ゲームというかつてのサブカルチャーを確固たる日本文化として、世界に向け認知させたと思う。(時田 貴司)