第11回 エンターテインメント部門 講評
【作品カテゴリ別講評】ゲーム・遊具・キャラクター・その他
ゲームは応募作品のどれもが完成度が高く、ゲームとしてのおもしろさも一定の水準を超えているものばかりであった。その点で、ゲーム文化の定着を感じさせた。一方で、よくできているがゆえに、作り手の個性が見えづらくなっているのも事実である。作品性と商品性の両立という難しい課題がプロの作り手には突きつけられている。遊具・キャラクター・その他には優秀賞がないという結果になった。新奇性や作者性において飛び抜けた物がなく、他のジャンルの作品に圧倒された感がある。ゲームはメーカーから、遊具・キャラクター・その他は個人・団体からの応募がほとんどとはっきり色分けされすぎている。応募の傾向が変わることを期待したい。
プロフィール
河津 秋敏
ゲームデザイナー
1962年熊本県生まれ。87年スクウェア(現・スクウェア・ エニックス)入社。『ファイナルファンタジー』『ファイナルファンタジーII』(ファミリーコンピュータ)の開発などに携わり、ディレクターとして『魔界塔士Sa・Ga』(ゲームボーイ)を制作。以降すべての『サガ』シリーズを手がける。2003年『ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル』(ゲームキューブ)を発表し、文化庁メディア芸術祭エンターテインメント部門大賞受賞。