第7回 エンターテインメント部門 講評
【作品カテゴリ別講評】ゲーム
ゲーム部門は、80作品以上の応募があり、殆どが企業からの応募でした。日本を代表するエンターテインメントとして、クオリティーの高い作品も多く、その中で個人の作品をどう評価するかが審査の難しさでもありました。
大賞の『ファイナルファンタジー・クリスタル クロニクル』は、映像、音楽、インタラクティビティーという面で、どの指標においても質が高く「触って楽しい」バランスのよい良質なゲームといえます。
優秀賞の『アイトーイプレイ』は、自分をカメラで写しゲームの中に自分を映し出し参加させるというところが、新しい試みであり、また『しばいみち』は、マイクデバイスを用いて演劇の中で、キャラクターをいかに演じられるか?という部分に特化した所が良かったと思います。今回の最終審査まで残ったゲームは、どれをとってもユニークで、今後の遊びの広がりを感じることができました。
少数ではありましたが、学生からの応募もあり、中には独特な雰囲気を持っている作品もありました。しかたないことですが、企業との作品と比べてしまうと、クオリティーの面では、やはり見劣りしてしまうものが多かったのも事実です。但し、ビジネスとして考えられていない分、発想が自由で、大変興味深い作品が数点含まれていたことが印象に残ります。来年は、一層ユニークなアイデアや発想の作品がより多く学生の方や個人からエントリーされることを期待しています。
プロフィール
鈴木 裕
ゲームプロデューサー
1958年生まれ、岩手県出身。岡山理科大学電子理学部電子科卒業後、1983年セガ・エンタープライズ(現・株式会社セガ)へ入社。2年後、世界初のアーケード用体感ゲーム『ハングオン』を発表。また1993年には、3D-CG対戦格闘ゲーム『バーチャファイター』、1999年に家庭用ゲーム『シェン ムー一章 横須賀』など、話題作を次々と生み出す。現在、株式会社セガクリエイティブオフィサー兼第AMプラス研究開発部長。