第8回 エンターテインメント部門 講評
【作品カテゴリ別講評】Web
エンターテインメントとしてのウェブサイトを考えた場合、サイトの中でユーザーにどのような体験や経験をさせるかということが重要なポイントになる。ユーザーのアクションに対してどのようなリアクションを設計するか?優れたエンターテインメントのウェブサイトは、全体からディテールにいたるまで、緻密にそのインタラクションがデザインされている。今年度の応募作品は、全体にそういったユーザー・エクスペリエンスを考慮して制作された作品が多かったのが特徴的であり、良かった点でもある。また、ユーザーにサイトに何度も訪れてもらうような仕掛けも数多くされていた。企業からの応募のサイトはCMなどのリアルなメディアとのインテグレーションを設計段階から意識して作られているものも多かった。しかし、他のメディアとの連動によって、ウェブサイトにオリジナルのパワーが感じられなかったようにも思われる。今後のエンターテインメントとしてのウェブサイトのひとつの在り方は、サイトに閉じるだけでなく、他のメディアと連動しながら、しかもサイトとしてのオリジナルの魅力を失わないようなクリエイティブが必要になる。
プロフィール
宮崎 光弘
アートディレクター
1957年、東京都生まれ。東京造形大学美術学部卒業。ファッション誌のアートディレクションに携わった後、1986年、株式会社アクシス入社。同グループのCI、デザイン誌『アクシス』のアートディレクションのほか、グラフィックデザインを中心にさまざまなプロジェクトを行なう。最近ではペーパー・メディアのデザインに加えてマルチメディア関連のデザインも数多く手がけている。