第14回 エンターテインメント部門 講評
今一番ホットな作品を審査したい
映像は斬新な作品、多いですね。Webも、遊戯も、なかなかユニークな作品が多い。ところが、ゲームの応募作品が、最近いまひとつというのが審査委員たちの印象なのです。シリーズものや、既存作品のリメイクなど、要するに「ゲーム」である肝心の部分は新しくない、という現象。これは、業界の構造的なものだろうと思われますが、メディア芸術祭としては、そのあたりに斬新さを求めているわけでして......。
この部分で、野心的な試みをもっともっとしてほしい。それを世界に紹介したい、と審査委員としては強く思っております。
SNSゲームの応募も少ないのが気になりました。パッケージじゃないと応募しにくいあたりは事務局も進化してくれれば......。ですが、とにかく友人・知人に声を掛けて今一番ホットな作品応募を促したいのであります。
プロフィール
斎藤 由多加
ゲームデザイナー
1962年東京生まれ。早稲田大学理工学部建築学科卒業。93年、シミュレーションゲーム『ザ・タワー』を発表。98年、株式会社ビバリウム設立、代表取締役社長。99年、同居型育成シミュレーションゲーム『シーマン~禁断のペット~』を発表、第3回文化庁メディア芸術祭デジタルアートインタラクティブ部門優秀賞など受賞多数。2005年人海戦術シミュレーションゲーム『大玉』を発表。現在は、同社で人工知能と自然言語発話の分野で研究開発を進めている。10年より「モバツイ」のクリエイティブディレクター。