© okamoto noriaki

第12回 アニメーション部門 奨励賞

ALGOL

短編アニメーション

岡本 憲昭 [日本]

作品概要

機械で自然を生産する人工の星。カードのようなロボットが数多く働いている。人間は博士ただひとり。モニターの画面がさらにモニターになり、重なるうちにイメージの連鎖が膨れあがっていく。環境問題と人間の内面に迫った意欲作。

贈賞理由

焦点深度が極端に浅く、褪せた色彩の遠い国の古い記録を覗いたような既視感は、デジタルで創作された現代の作品であることを忘れさせる。シンプルで一切の無駄がない世界の物語は静謐で切ない。イメージを実現する上で、時間的制約以外の技術的障害はいまやほとんどない。すべての作品の優劣はいかに優れたイメージを着想するか、にかかっている。そのなかで物量でなく質感でイメージを深化させる道を選んだ作者の美意識のこれからに期待したい。