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第14回 アート部門 大賞

Cycloïd-E

インスタレーション

Michel DÉCOSTERD / André DÉCOSTERD(Cod.Act)

作品概要

水平方向に連結した5本の筒を回転させながら、先端のスピーカーから音を発するサウンドスカルプチャー。モーターによって振り子のように動いている筒は、音源と計測器を備えた金属管。その回転運動に応じて音が反響するという仕組みだ。それぞれの振り子が描く軌跡は正確だが、予測不可能かつ魅惑的なパターンを描き出し、複合的な音を奏でている。

贈賞理由

圧倒的な物質感がもたらす、意識と身体感の変容
『Cycloïd-E』は、各1メートルの5本の金属製可動アームがモーターを内蔵した台座に取り付けられた作品である。その可動範囲は、直径10メートルにもおよぶ。台座の回転軸の動きに従い、5本のつながった腕は、予測不可能なダンスのような動きをとり、その動きの速度に対応しながら、機械が発生させる音響も変化し続ける。この作品のユニークさは、webに象徴される不可視領域の拡大が世界的傾向として見られる中で、その逆像として圧倒的な物質感を出現させたことだ。しかし、ここではその外在性やアンチヒューマンな他者性はテーマではない。重要なのは、その装置が引き起こす空間、時間、そして我々の意識や身体感の変容なのである。この作品との対面は、多くの人にモノを超えた、ある種の精神的畏怖すら与えるだろう。