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第9回 マンガ部門 大賞

失踪日記

吾妻 ひでお [日本]

作品概要

作者自身の突然の失踪から、自殺未遂、路上生活、肉体労働、アルコール中毒、強制入院までの波瀾万丈の日々を綴ったノンフィクション作品。暗いテーマをサラッと読ませるのも、作者のマンガ力によるものである。

贈賞理由

この作品は「私マンガ」というジャンルに属する。それはすでに新しいジャンルではないが、多くのそうした作品がどうしても「エッセイマンガ」になることが多いのに対して、この作品が作品としての品格をしっかりともっていることに注目してほしい。むしろ自分の感情・感想を排し、乾いた目でシビアな状況をギャグに仕立てている。この作家が一度はマンガの道を離れながら、もっていた才能を正しく発揮して元の道に戻ったことに驚きと歓びを禁じえない。