第9回 受賞作品マンガ部門Manga Division
大賞
-
失踪日記
吾妻 ひでお [日本]
作者自身の突然の失踪から、自殺未遂、路上生活、肉体労働、アルコール中毒、強制入院までの波瀾万丈の日々を綴ったノンフィクション作品。暗いテーマをサラッと読ませるのも、作者のマンガ力によるものである。
-
失踪日記
吾妻 ひでお [日本]
作者自身の突然の失踪から、自殺未遂、路上生活、肉体労働、アルコール中毒、強制入院までの波瀾万丈の日々を綴ったノンフィクション作品。暗いテーマをサラッと読ませるのも、作者のマンガ力によるものである。
優秀賞
奨励賞
審査委員会推薦作品
アニメがお仕事!
ストーリーマンガ
石田 敦子
隠の王
ストーリーマンガ
鎌谷 悠希
おおきく振りかぶって
ストーリーマンガ
ひぐち アサ
げんしけん
ストーリーマンガ
木尾 士目
機動旅団八福神
ストーリーマンガ
福島 聡
皇国の守護者
佐藤 大輔 (原作)/伊藤 悠 (漫画)
国際妖怪警察おけい
その他
ゴミ虫丸
シガテラ
ストーリーマンガ
古谷 実
少年とバク
自主制作
山崎 陽平
しろいくも
ストーリーマンガ
岩岡 ヒサエ
のだめカンタービレ
ストーリーマンガ
二ノ宮 知子
不思議な少年
ストーリーマンガ
山下 和美
百鬼夜行抄
ストーリーマンガ
今 市子
ダーリンの頭ン中 英語と語学
ストーリーマンガ
小栗 左多里/トニ-・ラズロ
フリーズ!
コママンガ
関口 尚
やさしいからだ
ストーリーマンガ
安永 知澄
レコードカッパ
コママンガ
小澤 一雄
笑ってください
オンラインマンガ
村野 守美
路地裏の鬼
自主制作
森 洋子
Garion the Saver
自主制作
Crico WOOTZ / CHOI il-ho
capeta
ストーリーマンガ
曽田 正人/冨山 玖呂 (原作協力)
D-LIVE!!
ストーリーマンガ
皆川 亮二
I LOVE SPORTS
コママンガ
JAPUNCH
審査講評
- 木村 忠夫日本漫画学院学院長【作品カテゴリ別講評】コマ・自主制作・オンラインマンガ・その他オンラインマンガは昨年12作品だったが今回は33作品と倍増した。日本よりも海外からの応募が多く、着実に広まりつつある。内容的にも、紙で描く表現の限界を超え、動き、音、色彩などデジタルならではの表現を生かした作品が目立った。ただ動きを重要視した作品はアニメーション的になり、マンガとしての評価とは少し異なる印象があったため、今後の課題になるだろう。文化庁メディア芸術祭でのマンガ部門が注目されてきたせいか、自主制作マンガの応募率はマンガ部門では一番高くなった。内容的にも絵画的手法を取り入れた作品や、デジタルで描いた新しい表現による個性あふれる作品が目立った。ユニークな表現のおもしろさを感じたが、ストーリー性に欠けていたのが残念である。コママンガは若干応募点数が増えたものの、一コマの応募が少なかったのは残念。しかし力作が多く、ストーリーマンガと異なるおもしろい味が感じられた。次回には多数の応募を期待したい。
- 竹宮 惠子【作品カテゴリ別講評】ストーリーマンガ今回は何といっても全体の応募数が伸びてきたことが喜ばしい。特にオンラインマンガは前年比275パーセントと、これからの発表形態を示唆するような数字になっている。海外からの応募も年々数が増え、マンガ部門の応募数の約1割が海外からの応募であった。文化庁メディア芸術祭における「マンガ賞」として、世界においても認知度が上がってきたという証明であろう。最終候補として残った作品群も、マンガという分野の間口の広さを示すがごとく、圧倒的な大作から非常にパーソナルな内容のもの、オーソドックスな良さを示すもの、さらには絵画との境目に位置するような作品などが並び、それらが十分に競い合った。世界中からの応募、年齢もさまざま、アマチュアもプロも一緒になって競える「マンガ賞」として、さらに来年の応募数も伸びてほしいと思う。
- 里中 満智子マンガ家「アニメーション」ではないデジタルマンガに期待したい今年度は応募作品も多く、この賞が広く知られる存在に育ったことを改めて感じる。いわゆる流通出版物だけでなく、自費出版や同人誌の応募も目立ってきたこともうれしい。マンガの可能性を拓く...という意味で、デジタルマンガに期待したいのだが、応募作品をみると「デジタルマンガ」と「アニメーション」の区別がついていないものが目立った。アニメーションはデジタルであれ、アナログであれ、アニメーションだ。「デジタルマンガ」は「デジタル表現を取り入れることで新しい見せ方を開拓する」という、その工夫が生かされているという意味なのだが...。海外からの応募にアニメーションが多かったのが少し残念だった。