©Ruben Pater

第18回 アート部門 優秀賞

Drone Survival Guide

グラフィックアート、ウェブ

Ruben PATER

作品概要

一般的に使用されているドローン(無人航空機)26種のシルエットと、それらの使用用途、国籍、そして無人航空機の偵察や攻撃から身を守るためのサバイバル・ガイドを記載したパンフレット。特設ウェブサイトからは、印刷用データと32ヵ国語に翻訳された説明資料のダウンロードや、無人航空機の監視センサーを阻害するとされる反射性のアルミ用紙への印刷が注文できる。ある報告によると2032年にはアメリカ全土の上空を飛ぶ無人航空機は30,000に上るという。スパイ活動や攻撃を目的とした無人爆撃機から、人道的支援や災害救済のための民生機など、幅広い用途に広がる無人航空機。本作は、近い将来には身近になるこの飛行体に、私たちが慣れ親しみ熟知することを目的に制作された。無人航空機が私たちの上空を飛び回ることをどのような条件で許容し、どうやって事故を回避するのか―。本作は、無人航空機に関する知識を普及し、こうした状況をより身近に議論していく必要性を示唆している。

作品概要

あらゆる場所に監視カメラが設置され、通信が傍受やハッキングにさらされる現代、ドローンのセンサーに検知される不安を日々生きねばならない近未来も間近かもしれない。和製レンズがよくドローンに装備されるとも聞く。本作は、Ruben PATERが修士論文をきっかけにまとめた、審査委員会推薦作品『Double Standards ― Somali Seajacks 2010-2012』に続くプロジェクトである。木陰に隠れる、囮(おとり)を使うなど、作者が提案する身を守る心得はまじめそうでいて冗談めいてもいる。無料で彼のウェブからダウンロードが可能な、世界中の賛同者が訳したガイド、また高反射性素材の作品を妨害用に有料で頒布(はんぷ)する行為もユニークだ。科学技術の発達がもたらす安全性の侵害を緻密に研究して広く社会に提起し、対抗知性と創造的ユーモアを介して命を守る権利と行動を喚起する。身近な対処法を編み出すことで、危機の実在をいち早く知らせ、認識力と批評性を高める果敢な実践だと評価した。(岡部 あおみ)