© Yamamura Animation / SHOCHIKU

第11回 アニメーション部門 優秀賞

カフカ 田舎医者

短編アニメーション

山村 浩二 [日本]

作品概要

不条理小説で知られるフランツ・カフカの『田舎医者』を原作とした短編作品。確実に何かを失いつつ、それでも生きていく田舎医者の運命を一万枚以上の原画を費やし、その孤独と不安の世界を鮮やかに映像化した。

贈賞理由

山村浩二は、他の短編作品をぶっちぎって、はるか彼方をひとり突っ走っている。それは作品を見れば、誰もが納得することだろう。20分に1万枚以上かけた作画がかもし出す映像の濃密さは、どのカットをとっても圧倒的。登場人物の心理を具象化した「びびり」と「ゆがみ」は、作者がさらなる探求の結果、生み出した手描きアニメーションならではの表現である。そもそもカフカを原作に選んだことからしても、表現したかったのは、単にストーリーを語ることではなく、アニメーションにしかできない心理と心象の映像化であろう。とどまることを知らない世界のヤマムラは、新たなアニメーション表現の可能性に挑み続けている。