© Mamora Gouda / FUTABASHA

第11回 マンガ部門 大賞

モリのアサガオ

郷田 マモラ [日本]

作品概要

新人刑務官・及川直樹が死刑囚たちと日々向き合い、葛藤する姿を通して、死刑制度の「今」を浮き彫りにした作品。緻密な取材を元に、「死刑制度」という重いテーマに真正面からぶつかっている。

贈賞理由

大罪を犯し収監されて、毎日毎朝死と向き合っている死刑囚たちと、彼らの世話をし、いつの日か、ついに自らの手で送ることになる刑務官の日常をコツコツと真摯に描いている。人間の心はとても不安定なもの。ほんのちょっとしたきっかけで、やさしい善良な人にも、恐ろしい凶悪犯にもなれてしまう。そして「死刑」は是か非か。非常に難しいテーマを郷田マモラ氏は自ら悩み自問自答をしながら、深く暗い森の中をさ迷いながら描き続けた作品がコレだ。「読者や人気アンケート等には拘泥せず創作する姿勢が見えて清々しい、地味ではあるが、郷田マモラ氏の誠実な取材に裏付けられた人物表現やストーリー展開、そして独特な筆致と演出はズッシリと重く、我々に色々な問題を問いかけてくる」というのが審査委員の共通の感想だった。