第23回 功労賞
村崎 修三
少女雑誌コレクター
プロフィール
1937年、熊本県生まれ。挿絵画家を目指して、参考資料として中学2年生の時から少女雑誌の蒐集を始める。その後、挿絵画家を断念して洋菓子の道に進み、1967年に熊本市にオーナー・パティシエとして洋菓子専門店を開業。同時に、少女雑誌の蒐集を本格的に開始した。洋菓子店引退後の2003年、熊本・菊陽町図書館の新築に合わせ、全雑誌を寄贈。「熊本・菊陽町図書館少女雑誌村崎コレクション」として収蔵される。菊陽町役場臨時職員として「少女雑誌の部屋」を長年担当し、2019年に退職。
贈賞理由
私財を投じて構築された少女雑誌コレクションは、国立国会図書館やGHQの「プランゲ文庫」にもない希少な資料を数多く収める、大変質の高いものである。また、熊本県の菊陽町図書館にコレクションを寄贈し、特設の文庫とするべく尽力され、蒐集家個人の仕事を公共の財産として次代へ継承する道筋を開かれた。日本のマンガは雑誌メディアに根差して発展したことを特徴とし、その研究には明治以来の雑誌出版物をたどらねばならぬ。メディア芸術振興の礎を築かれた偉大な先人として、本賞を贈り、その功績を讃えたい。(表 智之)