第19回 功労賞
清水 勲
漫画・諷刺画研究家
プロフィール
1939年、東京都出身、千葉県在住。立教大学理学部数学科を卒業。近所の親戚がマンガ本・マンガ雑誌を刊行する出版社を経営していたため、幼少期からマンガを浴びるように読む。そして後年、近世から現代までの日本漫画史を研究するようになる。編集者を経て、川崎市市民ミュージアム専門研究員、文京女子短期大学非常勤講師、帝京平成大学教授を務める。その間、G・ビゴーの研究で高橋邦太郎賞(日仏文化賞)、日本近代漫画の研究で日本漫画家協会賞特別賞を受賞。日本漫画資料収集家であり、収集した資料は2万点に及ぶ。現在は京都国際マンガミュージアム研究顧問、日本仏学史学会会長。主著に『漫画の歴史』(1991)、『四コマ漫画』(2009、以上、岩波新書)、『年表日本漫画史』(2007)、『江戸戯画事典』(2012)、『ビゴーの150年』(2011)、『ビゴーを読む』(2014、以上、臨川書店)、『明治の風刺画家ビゴー』(新潮選書、1978)、『北斎漫画』(2014)、『サザエさんの正体』(1997、以上、平凡社)など。現在100冊目の著作を執筆中。
贈賞理由
清水氏が功労賞に選ばれた理由は、ここに述べるまでもなく、マンガに関する研究書を長年にわたって数多く著わしていることにある。ビゴーに代表される風刺画家の研究から、『サザエさん』や四コママンガも含むマンガ全般に至るまで、江戸・明治・大正・昭和のマンガの歴史を紐解いた著作の数々は、いずれも研究者にとっては不可欠の基礎文献となっている。また、川崎市市民ミュージアムや京都国際マンガミュージアムにおける収蔵作品や展示に関する貢献も多大であることから、審査委員全員が清水氏への功労賞の贈賞に異存なく賛同した。(すがや みつる)