第10回 マンガ部門 大賞
太陽の黙示録
かわぐち かいじ [日本]
作品概要
2002年8月10日。大地震発生、富士山爆発。日本列島を次々と襲う天災の数々。極限状態の中で人はどう生き、どうやって明日を取り戻すのか。ひとりの少年を通して作者が描く、2017年の日本の姿。
贈賞理由
空はひとつなんだ!! 主人公の叫びを、いま世界中の人に聞かせたい。三大地震によって日本が分断され、地獄絵図が展開される。私たちが抱く不安感がまるで現実のように表現され、画面から悪魔の音がはじけそうだ。力強い描写、緻密な表現、主人公の体からにじむ人間の品格、巻を重ねても少しの手抜きもないところに、作者の苦労を感じ頭が下がる。マンガ史上永遠に残る名作である。審査員一同、異議なく大賞に決定した。