© 2002, W. Bradford Paley

第6回 デジタルアート(ノンインタラクティブ)部門 大賞

TextArc print: Alice’s Adventure in Wonderland

CG静止画

W. Bradford PALEY [米国]

贈賞理由

個人的な心象風景の多いデジタルの静止画の分野の中では、異色の作品であった。『不思議の国』のアリスの全文が、大きな楕円形に、可読できる最小の文字で印刷されている。その楕円の内側には使用頻度に従って文字級数の変えられた言葉が描かれている。当然主人公である「Alice」や「King」といった文字が見えるが、それらの大きさは使用された文字の場所からできるだけ等距離の場所に表示されるので、全編に渡って出現するものほど中央に表示されることになる。これは極めて知的な分析の結果をグラフィックとして定着させたもので、コンピュータを利用することによってのみ可能になった表現であり、また同時に、グラフィックとしても楽しめるものである。