第6回 デジタルアート(インタラクティブ)部門 優秀賞
type R
インスタレーション
柴田 知司 [日本]
贈賞理由
上面照射と下面照射により水面に浮かび上がる凹凸のある立体的なテキストを手によって触覚的にナビゲートしていく作品である。下から上に投影された光の映像は水面を通り抜け、天井にもうひとつの世界を作り出す。画面テキストは水面に触れるまで待機状態にあり、指で触れた瞬間に揺らいでいた線が収縮し、次の頁がめくられる。身体が重力からは逃れられないように、方向性と密接な関係を持つ。この作品空間が持つ上下左右の方向性は、観客のインタラクションに対応した空間と身体の静寂なダイアローグ環境を作り出している。