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第25回 エンターテインメント部門 新人賞

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映像作品

小林 洋介/針谷 大吾[日本]

作品概要

人間の文明が滅んだ後の世界をさまよう動画配信者を描いた自主制作のショートフィルム。明るいテンションで動画実況を続ける男性が、孤独のなかで次第に精神のバランスを崩していく。本作の制作はフルリモートで開始され、スマートフォン撮影、友人らのプライベート映像をミックスして構成した。低予算ならではの工夫が凝らされ、予算に加えて技術的な制約もあり3DCGは用いられず、日用品などの写真をコラージュした画づくりが独自の視覚効果を生んだ。YouTubeにて公開された2分20秒版が、GEMSTONE主催のリモートフィルムコンテストでグランプリ受賞を機にSNSで反響を呼ぶ。その後、追加撮影、音楽と編集の全面改訂を行った4分33秒の最終版を完成させた。

贈賞理由

小規模なチームで、スマートフォンによる撮影とリモートでの制作体制でつくられたショートフィルムということだが、制約のなかでの工夫が設定のリアリティーに上手くつながっていた。コロナ禍でも、低予算でも、アイデアと企画で4分33秒余すところなく引き込み、壮大なストーリーのなかの数分を切り取ったような空気感のつくり方が秀逸だった。すべてのクリエイターにとって、「まだまだできることはある」という希望にもつながる作品。いろんな人に見てほしい作品だ。(えぐちりか)