©︎ 2021 Ryan Moriya

第25回 エンターテインメント部門 U-18賞

VR Sandbox

アプリケーション

森谷 頼安[日本]

作品概要

空間も物資も自由に扱える仮想空間上の3DモデリングVRソフト。コントローラーを用いてより直観的に、両手で絵を描くように発想を形にできる。水や炎、コンクリート、ライトなどプリセットも多数用意されているので、池など水を大量に使う表現や、巨大なアート、家や家具といったものも手軽につくれる。視点や縮尺を操作することによって、ユーザーが建造物の中に入ることも可能なため、模型ではわかりにくい天井高や居心地も確認でき、現実世界で作品をつくる前の試作用ツールとしても利用が可能。仮想空間の中で自由に創造活動を行いながら、体感的に3D空間に慣れることができる。

贈賞理由

ゲーム内空間を自分好みに構築する、いわゆるサンドボックス作品は、昨今珍しいものではなく、VRに応用されても驚きは少ない。だが作品をつくったのは10代だと知り、見方が全く変わった。ならばこの作品がヒット作『マインクラフト』(2011)以降にポピュラーとなった3Dピクセルアートのスタイルを的確に採り入れたのも頷ける。こうした表現に親しんでいる世代だからこそ、当然のこととしてこれをやっている。その新世代感が、次は「新たなユーザー体験」のレベルへ至ることに期待を寄せつつ、今回U-18賞に決めさせていただいた。(さやわか)