第6回 デジタルアート(インタラクティブ)部門 奨励賞
妖怪ヤミワラシ
インスタレーション
江川 大 / 中 一郎 [日本]
贈賞理由
ヤミの世界からやってくる『妖怪 ヤミワラシ』は、機材を内蔵したおんぶおばけ型のシステムであり、観客はとり憑かれたようにそれを背負わされる。 その風景はある種の滑稽さを孕んでいる。同時にそれはヘッドマウント・ディスプレイの重いゴーグルを装着した際の重さ、不自由さを彷佛とさせる。この作品にはある種の軽さと批判が混在している。技術的には、歩く、あるいは走るという行動によって視野が拡大し、静止状態では真っ暗で何も見えないという仕掛けになっている。それはインタラクティブアートそれ自体の断片を提示しているようにも思える。