9回 アート部門 講評

【作品カテゴリ別講評】インタラクティブアート・その他

高い次元のデジタル技術とクオリティーで圧倒するもの、かたや極端なアナログ・メカに戻りユーモラスにテクノロジー批評するもの。個人が職人的につくりあげる作品から、ミュージシャンとの大規模なコラボレーションを繰り広げるもの。インタラクティブというカテゴリー分けが疑問に思えるほど多種多様の表現は楽しめた。だが逆に驚くべきほどのものが少なかった印象も否定できない。全体のテクノロジーや表現が熟達するなか、必要なのは突出する「とんでもなさ」である。得体の知れない魅力にあふれる斬新さが次の時代をつくっていくはずだ。

プロフィール
ヤノベケンジ
美術作家
1965年大阪府生まれ。大阪万博跡地近郊で育ちその「未来の廃墟」像をモチーフに作品を作りつづけている。放射線感知服『アトムスーツ』を身にまとい、チェルノブイリを訪れるなど、ユーモラスな形態に社会性のある強いメッセージを込めた作品群は国内だけでなく海外からの評価も高い。2003年「メガロマニア」(国立国際美術館)、2004年「子供都市計画」(金沢21世紀美術館)、2005年「キンダガルテン」(豊田市美術館)、2006年「縄文と現代」(青森県立美術館)ほか。