あてずっぽう

猫とも人ともつかない異形の主人公が、町や家に偏在する不可思議な生き物や出来事と巡りあいながら、学びと小さな成長を反復する短編集。簡素に描かれた登場人物とは対象的に、異世界のようでありながら時には現実と同様の風景が広がる町並みは重厚な筆致で描かれ、繰り返される概念的な問答と相まって、独特かつ強烈な印象を読者に与える。