Carbon Footprint

道端に捨てられた空き缶が徐々に腐食していくようすを精妙なCG技術で描写。そのリアルな表現に目を奪われると同時に、人間の判断でリサイクルを決めるのは一瞬のことだが、自然にまかせると50年を要するという環境問題への強いメッセージが込められている。

道端に何気なく捨てられたドリンクの空き缶が、50年かけて腐食し、風化していく映像を一気に見せていく。そして、最後のメッセージへと繋がってゆく。「IT TAKES A SECOND FOR YOU TO RECYCLE A CAN. IT TAKES 50 YEARS FOR A CAN TO RECYCLE ITSELF」。このメッセージ自体も、事実をふたつ並べただけのクールなものでチャンネル局のイメージとの相性がよい。それでいて確実にひとつの結論をメッセージとして伝えている。途中で芽を出しはじめた植物が、最後には切り倒された切り株になっている等、細かな演出もうまく取り入れられている。高度な画像処理技術と、その技術を見事に使いこなし、シンプルで効果的にメッセージを見る者に伝える力強い表現となった。非常に洗練されたクオリティーの高い作品である。