第12回 受賞作品エンターテインメント部門Entertainment Division
大賞
-
TENORI-ON
電子楽器
岩井 俊雄/『TENORI-ON』開発チーム(代表:西堀 佑) [日本]
ゲーム機のようなインターフェースで音と光を遊ぶ、新しい楽器とでもいうべきデバイス。縦横16個ずつ、256個並んだLEDはスイッチにもなっており、光のパターンを映しだすとともに、サウンドを視覚的に操れるようになっている。企業とともに共同開発し、製品として結実させた成果がインパクトをもって受けとめられた。
-
TENORI-ON
電子楽器
岩井 俊雄/『TENORI-ON』開発チーム(代表:西堀 佑) [日本]
ゲーム機のようなインターフェースで音と光を遊ぶ、新しい楽器とでもいうべきデバイス。縦横16個ずつ、256個並んだLEDはスイッチにもなっており、光のパターンを映しだすとともに、サウンドを視覚的に操れるようになっている。企業とともに共同開発し、製品として結実させた成果がインパクトをもって受けとめられた。
優秀賞
奨励賞
審査委員会推薦作品
あなたの近くにある会社
Web
佐野 勝彦 [日本]
アフリカ
ゲーム
Project AFRIKA代表 立川 勝基 [日本]
いきものみっけ
Web
「いきものみっけ」キャンペーン代表 マエキタ ミヤコ [日本]
エスコート
映像
江口 カン [日本]
カミロボ
キャラクター
安居 智博 [日本]
カルピスソーダ学園/カルピスソーダカップ ウェブサイト
Web
石井 雄樹/小松 季弘/平 知己 [日本]
きまぐれロボット
映像
辻川 幸一郎 [日本]
キユーピーマヨネーズ「Central Park」篇
映像
秋山 晶 [日本]
月刊剣道時代ブログパーツ
Web
阿部 晶人 [日本]
この街で働きたい
映像
澤本 嘉光 [日本]
時雨
遊具
takram design engineering / Hiroaki IDE [日本]
ストリートファイターIV
映像
大橋 聡雄 [日本]
食料の未来を確かなものにするために
映像
groovisions [日本]
大合奏!バンドブラザーズDX
ゲーム
「大合奏!バンドブラザーズDX」開発チーム代表 北村 典子 [日本]
ドラゴンクエストV 天空の花嫁
ゲーム
堀井 雄二 [日本]
ドラゴンクエストIV 導かれし者たち
ゲーム
堀井 雄二 [日本]
ナイツ・イン・ザ・ナイトメア
ゲーム
伊藤 真一 [日本]
閃考会議室
オフィスシステム
「閃考会議室」プロジェクト代表 植木 淳朗 [日本]
ふるまい
遊具
takram design engineering / Taku SATOH / water project [日本]
プロダクトイノベーション
映像
Chris HUTCHINSON/Driscoll REID [日本]
ペンギン爆弾
遊具
中村 開己 [日本]
マインド・ラボ
Web
「マインド・ラボ」制作チーム代表 入道 隆行 [日本]
ポケットモンスター プラチナ
ゲーム
「ポケットモンスター プラチナ」開発チーム代表 川内丸 武史 [日本]
無限回廊
ゲーム
鈴木 達也 [日本]
龍が如く 見参!
ゲーム
名越 稔洋 [日本]
AQUANAUT’S HOLIDAY ~隠された記録~
ゲーム
YAMAGUCHI Yoichi [日本]
AXE WAKE-UP SERVICE INC.
Web
朴 正義 [日本]
Bikeware
ゲーム
「Bikeware」プロジェクト代表 安田 俊平 [日本]
Devil May Cry 4
ゲーム
「Devil May Cry 4」開発チーム代表 小林 裕幸 [日本]
driveeverydrop.com
Web
Eric CRUZ [日本]
Drop
映像
Michael RUSSOFF / Caroline PAY [日本]
DS文学全集
ゲーム
「DS文学全集」開発チーム代表 山上 仁志 [日本]
levelHead
ゲーム
Julian OLIVER [日本]
i-volution
映像
加藤 友之(クリエーティブ・ディレクター/プランナー)/Kuntzel+Deygas(ディレクター) [日本]
Plugged
映像
古賀 庸郎/山本 信一 [日本]
Jemapur : Maledict Car Music Video
映像
関根 光才/Eric CRUZ [日本]
PixelJunk™ Eden
ゲーム
「PixelJunk™ Eden」開発チーム代表 ディラン カスバート [日本]
prototype 1000
Web
佐藤 ねじ [日本]
「リゲイン的出社風景」篇
映像
山田 和正 [日本]
審査講評
- 田中 秀幸【作品カテゴリ別講評】映像Web、ゲームなど、新たなメディアが技術的な進歩によって表現力を増していき、映像的な表現を取り込んでいくなかで、ゲームのオープニング映像やWeb上の映像表現などはますますハイクオリティー化していく傾向にあります。そんななか、CM、ミュージックビデオ、テレビ、アニメーションなど以前から映像表現を主体としてきたジャンルのクリエイターやスタッフの基本的な映像表現力のレベルの高さが逆に目立つ結果となったのではないかと思います。
Webやゲームなどのジャンルのプロフェッショナルの委員の方々と映像の審査をしていくのは新たな目で映像作品を見ることができ、映像表現の新たな価値を考える機会になったのではないかと思います。今後の自分自身の作品制作の大きな参考にもさせていただきます。 - 福井 信蔵クリエイティブディレクター【作品カテゴリ別講評】Web今年度の応募も、剪定されずに伸びきった盆栽のごとく、どの視点から見るべきかわからず、同時にどこから見ても何もないという作品が多かったのは残念である。コンセプトだけが立派だったり、ひとりよがりの表現に始終したり、単に最新技術に飛びついてみたり、一発芸を羅列したり。それを「これはメディア芸術です」と言われても困る。それらをふるい落とし、コンテンツ表現に優れたもの、独自性の高いもの、チャレンジがあり、美しく、楽しく、驚きのある秀逸な作品を選出して最終審査会で審議した。今年度は時代を反映してか、携帯を連動して新たなコミュニケーションを成立させようとする企画が多く見られたが、そうした複合型の作品群を凌駕して『FONTPARK 2.0』が優秀賞に選ばれた。"体験の質の高さ"が鍵となってこの作品が選出されたのは意味深い。また、今年度も企業の広告キャンペーンの応募が多かったが、なかでも環境意識を啓蒙する『driveeverydrop.com』と、そのCMの『Drop』は秀逸であった。結果的に賞に至らなかったが、映像とWeb両部門の最終審査で上位に残り、高く評価されたことをつけ加えておきたい。
- 水口 哲也【作品カテゴリ別講評】ゲーム・遊具・キャラクター・その他今年の傾向は、ズバリ"身体性"。映像や音による表現美というよりも、触る、動かす、魅せる、というような作品が審査員たちの注目を集めた。これも時代の移ろいなのか、人間の本能や欲求の揺り返しなのか。電脳的になっていくメディアや表現が多いなかで、またさらに、次の時代の予感を楽しみにさせてくれそうな、そんな作品に恵まれたのではないかと思う。ゲーム部門の受賞が多かった昨年に比べて、今年は他のジャンルの存在感が増した。エンターテインメント部門の大賞を受賞した『TENORI-ON』がこの部門から選出されたことにも大きな意味がある。今後の文化庁メディア芸術祭の未来を考えると、何かの予兆を感じさせるおもしろい年となった。
- 田中 秀幸【作品カテゴリ別講評】映像Web、ゲームなど、新たなメディアが技術的な進歩によって表現力を増していき、映像的な表現を取り込んでいくなかで、ゲームのオープニング映像やWeb上の映像表現などはますますハイクオリティー化していく傾向にあります。そんななか、CM、ミュージックビデオ、テレビ、アニメーションなど以前から映像表現を主体としてきたジャンルのクリエイターやスタッフの基本的な映像表現力のレベルの高さが逆に目立つ結果となったのではないかと思います。
Webやゲームなどのジャンルのプロフェッショナルの委員の方々と映像の審査をしていくのは新たな目で映像作品を見ることができ、映像表現の新たな価値を考える機会になったのではないかと思います。今後の自分自身の作品制作の大きな参考にもさせていただきます。 - 田中 秀幸この部門では、異なるメディアをプラットホームとする作品をひと括りに審査してきた。始めはどうやって審査をしていくのか正直なところ戸惑った。しかしいざ審査をしてみると、ごった煮状態の審査が反対に既存のジャンルのなかの理論だけで評価するのでは見えてこなかった評価の方向を見せてくれたように感じている。
技術の進歩によって、かつてないほどの変化があらゆるエンターテインメント作品に起こっている時代のなかで、制作者は"新たな作品と人との関係"という新しい課題を与えられているように感じられる。今回大賞に選ばれた『TENORI-ON』はその作品としてのすばらしさや楽しさは当然のことながら、プロジェクト自体が象徴的で革新的であり、また、このプロダクトを使って新たな作品が生まれる可能性までもが作品のなかに含まれている。ほかの受賞作品も同じように表現のおもしろさにとどまらない何かを持っているものばかりとなったのは偶然ではないと思う。