第17回 マンガ部門 優秀賞
ひきだしにテラリウム
九井 諒子
作品概要
ウェブ文芸誌での連載を経て、著者の3冊目の単行本となった本作は、最短で2ページ、最長でも11ページという、コンパクトなページ数で完結する作品を集めたショートショート・コミック。年に一度の“ 龍猟”を習わしとしている里山で龍料理を食す『龍の逆鱗』、長い冬が続く村の一人の青年が春を探して森を歩く『湖底の春』、「まる」「さんかく」「しかく」を料理して食べる過程を描く『記号を食べる』、人間誰もが物語の主人公として生まれ暮らす世界の『ショートショートの主人公』、架空国家についての中学生たちの話し合いが展開していく『遠き理想郷』、とある生物の進化の過程を描いた『生き残るため』など、全33編を収録。コメディ、昔話、寓話、ファンタジー、SFなどさまざまな発想を、少女マンガ風や劇画調のタッチも織り交ぜての多彩な絵柄で描きあげる、千変万化の掌編集。
贈賞理由