© IWAI Toshio / Yamaha Corporation

第12回 エンターテインメント部門 大賞

TENORI-ON

電子楽器

岩井 俊雄/『TENORI-ON』開発チーム(代表:西堀 佑) [日本]

作品概要

ゲーム機のようなインターフェースで音と光を遊ぶ、新しい楽器とでもいうべきデバイス。縦横16個ずつ、256個並んだLEDはスイッチにもなっており、光のパターンを映しだすとともに、サウンドを視覚的に操れるようになっている。企業とともに共同開発し、製品として結実させた成果がインパクトをもって受けとめられた。

贈賞理由

音楽制作においては、電気的に合成した音(シンセサイザー)や、原音を録音したもの(サンプラー)が日常的に使われるようになり、“音源”のあり方は、ここ40 年ほどで、革命的ともいえる変化が起こった。しかし、その音源をコントロールするインターフェースは、いまだに、中世以来の鍵盤や、伝統的な打楽器を模したパッドが主流である。大賞の理由は、必然性を持つ革新であること。そして何よりも、ヒトと機械との接面ともいえるインターフェース部分を、ハードウェアとして、商品化まで実現したことである。音楽の知識無しでも、気軽に遊べる装置であることは確かだが、その可能性は未知数である。初めて手にしたプレイヤーたちに、これほどまで新たなチャレンジ意欲を抱かせる楽器(音楽インターフェース)を、ほかに知らない。