ウムランギ・ジェネレーション

サイバーパンク的な退廃感を漂わせる近未来のニュージーランドを舞台に、ミッションとして指定された被写体を写真に収めることで物語が展開していくゲーム作品。写真は単に撮影するだけはなく、色や構図、画角などを工夫することによって、より高い報酬を得ることができる。ステージごとにボーナスやさまざまなイベントが用意されており、それによってユニークなアイテムを入手することも可能となっている。シャッターやフラッシュの⾳、コントラストや露出の調整など写真表現のディテールとメディアとしての面白さはそのままに、初心者でも手軽に撮影を体験できるようになっている。

ウムランギ？　語感でネーミングした造語かと思いきや、マオリ語で「赤い空」を意味するという。破滅が近い退廃的な世界に生きるポップでシニカルなキャラクターたち。プレイヤーはこの世界で「フォトバウンティ」と称し、写真で賞金を稼ぎこの世界を生きる。銃を撃つことも写真を撮影することも英語ではSHOOT。First Person Shooting（FPS）という定番ジャンルを写真撮影に特化させたコンセプトと独自の世界観が刺激的なゲーム体験を生み出している。どんな世の中でも、制限下でも、若者は自由に自分らしさを探求するのだ。（時田 貴司）