募集期間
2004.8.2(月) - 10.20(水)
主催
文化庁メディア芸術祭実行委員会
[文化庁・CG-ARTS協会]
会長
河合 隼雄(文化庁長官)
運営委員
永田 圭司(CG-ARTS協会理事長)
浜野 保樹(東京大学大学院教授)
開催日程
2005.2.25(金) - 3.6(日)
贈呈式
2005.2.24(木)
会場
東京都写真美術館(恵比寿ガーデンプレイス内)
入場料
無料
審査委員
草原 真知子
浅葉 克己
土佐 信道
中谷 日出
三上晴子
中島 信也
石原 恒和
斎藤 由多加
鈴木 裕
宮崎 光弘
富野 由悠季
神村 幸子
寺井 弘典
樋口真嗣
森卓也
里中 満智子
木村 忠夫
黒鉄 ヒロシ
竹宮 惠子
ちばてつや
浜野 保樹
東京大学大学院教授
作品水準が向上し、ジャンルの多様化、国際化がますます進んだ
激論の連続だった。4部門ともすんなり決定したところはなかった。かなり激しい言葉も飛び交ってはいたが、それは、審査委員の真摯な態度のあらわれであった。
平成16年度の審査が、全部門でかくも難航したのは、やはりその数ゆえであった。応募総数は若干減ったものの、作品のみの評価で選出するというメディア芸術祭のあり方が、回を重ねるごとに周知されてきたようで、応募の際に作品が厳選され、近年、応募作品の質が目に見えて向上し、今年は特に粒ぞろいだったようだ。
コンピュータやディスプレイ、プリンタなどの機器の低廉化や機能の向上もあって、専門家とアマチュアで使う道具の差異がなくなりつつあることも、審査委員の方々は、口々に語っておられた。一方で、インターネットが普及から定着の時期にさしかかっている今、皮肉にも、いずれの部門でもウェブ作品は選出されなかった。
激論のもう一つの理由は、4部門の区分はあるものの、メディア芸術のジャンルが拡張し続け、同じ尺度で審査することの困難さにあった。しかしジャンルを無制限に増やすこともならず、変貌と拡大をとげる表現形式と審査委員は格闘され、委員同士で納得のいく評価軸を模索され、膨大な議論を経て、この結果にたどりついたことを、審査をすべて傍聴した者として報告しておきたい。メディア芸術祭は、各国のメディア芸術を知る上での貴重な機会となりつつあるが、韓国からの応募の増加が目立った。奇しくも2005年は日韓友情年であり、感動させ、楽しませ、考えさせるメディア芸術が両国の友情が深まる契機となることは、2004年のわが国での韓流ブームでも示されている。他国についても、韓国同様にメディア芸術祭が交流の場となる機運を感じる2004年の海外からの応募の増加であった。