募集期間
2019.8.1(木) - 10.4(金)
主催
文化庁メディア芸術祭実行委員会
会長
宮田 亮平(文化庁長官)
運営委員
建畠 晢(多摩美術大学長)
古川 タク(アニメーション作家)
開催日程
2020.9.19(土) - 27(日)
贈呈式
2020.9.18(金)
会場
日本科学未来館(東京,お台場)
サテライト会場
CINEMA Chupki TABATA
入場料
無料
協力
日本科学未来館
東京都港湾局
東急プラザ銀座
株式会社テクニカル・アート
パナソニック株式会社
MAPP_
The Chain Museum
電通アイソバー株式会社
株式会社ライゾマティクス
ライゾマティクス・アーキテクチャー
株式会社LIVE BOARD
株式会社 ビームス
株式会社 ウェルカム
sequence MIYASHITA PARK
Dōngxī Restaurant & Sakaba
慶應義塾大学 湘南藤沢キャンパス(SFC)
武蔵野美術大学
株式会社Tポイント・ジャパン
Bunkamura
渋谷区
渋谷PARCO
金王八幡宮
青山学院大学
原宿 東郷神社
国際連合大学
JINNAN HOUSE
渋谷キャスト
渋谷区立宮下公園
協賛事業
cinéma bird in 東京2020(cinéma bird実行委員会)
日本ゲーム大賞2020(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)
東京ゲームショウ2020オンライン(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)
インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル(略称: ICAF)(インター・カレッジ・アニメーション・フェスティバル実行委員会)
ARTBAY TOKYO presents明和電機「ナンセンスファクトリー」(アートプロジェクト実行委員会)
CEDEC2020(一般社団法人コンピュータエンターテインメント協会)
東京都現代美術館企画展「おさなごころを、きみに」(株式会社NHKエンタープライズ)
日本博京都府域展開アート・プロジェクト「もうひとつの京都―光のアトリエ―」(京都府、「海の京都」天橋立地区協議会)
安野モヨコ展 ANNORMAL(公益財団法人せたがや文化財団 世田谷文学館、東京新聞)
GⅢ vol.133 高浜寛のマンガに登場するアイテムで読み解く19世紀末(ベル・エポック)―『ニュクスの角灯』、『蝶のみちゆき』…展(リイド社、CG-ARTS)
MUTEK.JP2019(⼀般社団法⼈MUTEK Japan)
ショートピース!仙台短篇映画祭2019(せんだいメディアテーク)
審査委員
阿部 一直(キュレーター/アートプロデューサー/東京工芸大学教授)
秋庭 史典(美学者/名古屋大学准教授)
池上 高志(複雑系科学研究者/ 東京大学大学院総合文化研究科教授)
ゲオアグ・トレメル(アーティスト/研究者)
田坂 博子(東京都写真美術館学芸員/第12回恵比寿映像祭ディレクター)
齋藤 精一(株式会社ライゾマティクス代表 取締役/クリエイティブディレクター)
川田 十夢(開発者/AR三兄弟 長男)
時田 貴司(ゲームクリエイター/株式会社スクウェア・エニックスプロデューサー)
中川 大地(評論家/編集者)
森本 千絵(コミュニケーションディレクター/アートディレクター)
宇田 鋼之介(アニメーション監督・演出)
佐藤 竜雄(アニメーション監督・演出・脚本家)
須川 亜紀子(横浜国立大学大学院都市イノベーション研究院都市文化系教授)
横須賀 令子(アニメーション作家)
和田 淳(アニメーション作家)
白井 弓子(マンガ家)
表 智之(北九州市漫画ミュージアム専門研究員)
川原 和子(マンガエッセイスト)
倉田 よしみ(マンガ家/大手前大学教授)
西 炯子(マンガ家)
川村 真司(Whatever Inc. クリエイティブディレクター/ CCO)
水口 哲也 (エンハンス代表/シナスタジアラボ主宰/慶応義塾大学大学院(Keio Media Design)特任教授)
水谷 仁美(株式会社リコーSV 事業本部 THETA 事業部 Sales & Marketing)
選考委員
伊村 靖子(情報科学芸術大学院大学講師)
高尾 俊介(甲南女子大学文学部メディア表現学科講師)
津田 道子(アーティスト)
萩原 俊矢(Webデザイナー/プログラマ)
平川 紀道(アーティスト)
明貫 紘子(キュレーター/研究者)
指吸 保子(NTTインターコミュニケーション・センター[ICC] 学芸員)
渡邉 朋也(美術家/タレント)
猪俣 紀子(茨城大学准教授)
おぎの ひとし(マンガ家/東京工芸大学助教)
小田切 博(フリーライター)
久保 直子(比治山大学短期大学部美術科専任講師)
倉持 佳代子(京都国際マンガミュージアム研究員)
西原 麻里(愛知学泉大学講師)
日高 利泰(マンガ研究者)
松田 尚正(マンガ家)
三浦 知志(尚絅大学准教授)
建畠 哲
多摩美術大学長
文化庁メディア芸術祭は今年で23回目を迎えた。その四半世紀に近い歩みはメディア芸術という新たな領域の成熟に寄与してきたが、それは必ずしも概念的に安定させえたということではなく、むしろ社会状況や技術の変遷に応じてそれぞれの部門の定義自体を流動させるメディア芸術のあり方を、より鮮明に浮かび上がらせてきたというべきかもしれない。それだけに企画者の側も毎回、同じ開催方式、同じ審査方針を維持するわけにはいかず、常にフレキシブルに対応することを求められてきたのである。今回、部門ごとに実社会への影響の大きさを評価するソーシャル・インパクト賞、18歳未満を対象としたU-18賞、さらに展示会場の設備、施設の特性を生かしたプランを公募するフェスティバル・プラットフォーム賞が新設されたのも、そうした姿勢に基づくものである。さてアート部 門 の 大 賞は バイオアート『[ir]reverent: Miracles on Demand』である。カトリシズムの、ある意味では人間中心主義的な歴史観への批評として、微生物に血液に似た液体を生成させるという試みであって、聖体顕示台を模したインキュベーターが引き起こす神なき奇跡の光景が興味深い。エンターテインメント部門の大賞は『Shadows as Athletes』、タイトル通りオリンピックの競技種目のアスリートの一対になった身体と影の動きを、影を主役に逆転させたもので、発想の巧妙さと映像としての完成度の高さに魅せられた。
古川 タク
アニメーション作家
たった1年、されど1年でしょうか、去年の入賞作品の傾向と確かに違う。流行り廃りなんて言葉で片付けるのは失礼かと思いながらあえて使わせてもらう。例えばビッグデータを何かに変換して……という作品ももはや、今年は流行っていないし、あれ程大量にエントリーされ続けてきた映像作品もアニメーション部門は別として、流行っていないみたいだ。「へい、いらっしゃい!今年はこれが旨いよ」と、新鮮な魚が求められる。AIを取り扱っても、2020年の今、私はこう考える的なアップ・トゥ・デイトな作品が選出される。これは現在進行形のメディア芸術だから当然で、流行のように出品作品の傾向が変わるのは時代のテンポがいよいよ加速度を増してきているからであろう。時に、エンターテインメント部門の大賞に選ばれた影がいきもののように活写された『Shadows as Athletes』のようにスマートでかっこいい作品もあれば、アート部門の優秀賞に選ばれた大量のゴミ袋を扱ったインスタレーション『Two Hundred and Seventy』やエンターテインメント部門新人賞のシニア向けコンテンツ『トントンボイス相撲』のように、社会的なテーマをおもしろくアナログ風に、ややアイロニカルに見せるものもある。まだ何とかアイロニーが通じる時代だと少しホッとする。そして、2020年、この時代によみがえったアニメーション部門の『ごん』、未来に向かって「人間って何?」と正面から問いかけてくるマンガ部門の大賞『ロボ・サピエンス前史』など。もし今年の受賞作品が丸ごとタイム・カプセルに埋められて後世に発掘されるとしたら、今年はこういう年であったわけです。