11回 受賞作品マンガ部門Manga Division

大賞

優秀賞

審査講評

  • 藤本 由香里
    明治大学准教授
    【作品カテゴリ別講評】コマ・自主制作・オンラインマンガ・その他
    マンガ部門の総数自体は減っているが、これは主にストーリーマンガ部門で出版社が応募作品をより厳選してきた結果と考えてよい。その他は、今回コママンガの応募がやや減ったことを除けば、堅調に応募数が増えており、なにより、昨年激減した海外からの応募が復調し、実際に複数の作品が推薦作品として入選していることは喜ばしい。その結果を受けて今年は多彩な作品が推薦作品として選ばれている。展示を見ていただければ、マンガの形態も実にさまざまになってきていることを実感していただけるだろう。今年はとくにオンライン作品が増えたが、見せ方に工夫のある作品が少なかったことは気になった。携帯コンテンツとしては別の見せ方をしている作品もあるのだから、そのアピールをはっきりとすべきだったのではないだろうか。
  • しりあがり 寿
    マンガ家
    【作品カテゴリ別講評】ストーリーマンガ
    「何をどう選んだらよいのやら」それがボクの正直な感想だった。他の審査委員のみなさんも同様だったのか、審査は盛りあがった。この作品はオモシロイ。いやいやこちらの作品のテーマの方が時代性がある。この作品は一見地味だがそうたやすく描けるものではない。こちらの作品の実験的な手法には大きな可能性があるのではないか?などなど。それほどストーリーマンガの候補作は粒ぞろいで、次々に出される評価の視点が、まさに集まったマンガの多様性とそのレベルの高さを示していた。そしてなにより印象的だったのは、審査が終わった時。ホッとするより先に、惜しくも賞を逃した作品に、「すみません」と謝りたくなったことだった。
  • モンキー・パンチ
    マンガ家
    作品本位の選考が生みだす新たな可能性
    今年の応募作品は283点。そのうち最終審査対象作品として35作品が残った。昨年同様、今年も大賞作品と優秀賞作品が二転三転した。それ程にどの作品がどの賞に選考されても当然と思えた力作が揃った。時間を忘れ上質の作品群を読破するのは、審査員冥利に尽きて最高に幸せを感じた。なかには確かに目を覆いたくなる残酷な描写の作品や巻物風に作画した実験的な作品もあったが、そこには説得できる必然性がやや不足し審査委員全員を理解させるにいたらなかったことは確かであり、残念である。また、今後期待をもてるであろう新しいマンガの表現手段としての自費出版作品、ニューメディアを駆使したオンラインマンガ、デジタルマンガ等に審査委員を唸らせる作品が今回も少なかった。次回に大いに期待したい。